基礎補強工事が完了して数日後、硬化剤を加えた地盤が所定の硬度になったことを確認後、基礎工事が始まりました。工事は積和建設によって行われました。

基礎工事の重要性と基礎の設計

 住宅建築において住宅の基礎部分は建物の耐久性、耐震性に最も影響を与える部分です。
 昔(縄文時代)の建物は地面に穴を開け柱を差し込んだだけでした。この場合、地中部分の柱は腐りやすいし建物の重みで沈んでしまいます。そこで幅の広い石を置いて、その上に柱を立てるように変わりました。
 現在では 基礎は、

  • 鉄筋が入って横に連続したコンクリートになっていたり(布基礎)
  • 地面に接する部分が幅広になっていたり(フーチング基礎)
  • 底部が一体になった大きなコンクリート面(ベタ基礎)

 になっています。

 基礎の設計も住宅建築の重要な作業です。その内容は以下になります。

  • 地盤の強さと建物の重さや建物が外から加えられる力(地震や風)を考慮して、布基礎やベタ基礎などの基礎の種類を検討する
  • その内部への鉄筋の種類と配置と本数を検討する

 積水ハウスの場合、SKIPシステムというこれまでの技術ノウハウから地盤調査~基礎設計までをコンピュータ処理で計算・設計できるシステムにより、基礎の設計作業を行っています。

基礎工事(前半の7つの工程)の様子

 基礎工事は7つの工程の順番で行われました。以降で各手順ごとにご紹介します。
下の図は、私たちの敷地の基礎工事が行われた際の様子(布基礎の打設部分が示されています)です。
「基礎工事〇」は各工程で紹介している箇所を示しています。

20210223基礎工事時の敷地の図面01

基礎工事1 地縄張り

 敷地にロープやビニール紐を使って、設計図を確認して建物の形を原寸大で示す作業です。
これによって、実際の建物の位置が分かり隣家との距離、給排水管の位置を確認することが出来ます。

20210223基礎工事1-地縄張りの写真01

基礎工事2 遣り方

 遣り方は建物の外周に沿って建物の位置を示す仮設物のことです。
 遣り方をもとに建物の位置、高さ、水平などを決めることになります。積水ハウスでは使用する仮設物は、杭(水杭)には金属製の棒を使用し、横木(水貫)には定規タイプのものが使用されました。
 遣り方の設置位置については決まりは特になく、横木は基礎の天端から10cm程度に設置するように決められています。遣り方により基礎の位置・高さ・水平を決めるので、位置は正確に高さはレーザー水準器を使って出します。
 遣り方により建物の位置が示され、基礎工事の基準となります。

20210224基礎工事1-2-遣り方の写真01

基礎工事3 根切り

 根切りとは基礎を設けるために地盤を掘削する作業です。
 遣り方の高さを基準にして、コンクリートを打設するための型枠組み立てのことを考えて少し大きく掘ります。
 深く掘りすぎると、せっかくの良い地盤を崩してしまうので注意します。

基礎工事4 捨てコンクリート打ち

 根切りの後、割栗地業(根切り底にこぶし大の割栗石を均一に並べて、隙間を埋めるために砕石を敷き、転圧機で平らにする作業)を行います。ただ今回は表層改良を行って平らで十分な強度の地盤が形成されているため、割栗地業は行いませんでした。
 根切りの後は「捨てコンクリート打ち(捨てコン)」を行いました。
捨てコンは施工精度を向上させるために行います。捨てコンを行うことによって、基礎底面を平らにすることが出来ます。また、鉄筋を組み上げるための基準などに利用することが出来ます。捨てコンの打設範囲は基礎幅よりも広く行います。
 捨コン打ちはベースとなる基礎底面を平坦に形成出来るので、基礎工事の精度が向上します。

20210224基礎工事1-3-捨コン打ちの写真01

基礎工事5 配筋工事

 配筋は図面に従って鉄筋を配置する作業です。
 柱が建物を支えるように、基礎部分では内部の鉄筋が基礎を支えます。鉄筋はコンクリート基礎の強度に大きな影響を与えます。使用する鉄筋の太さ、数量、鉄筋の間隔、かぶり厚が重要です。
 配筋は、構造計算によって決められますが積水ハウスではSKIPシステムによって計算され図面化されます。
 鉄筋はD13,D10の鉄筋が使用されることが多く、鉄筋の間隔は20cm程度が標準です(鉄筋の書類は「D○○」と示され、Dの次の数字は鉄筋の直径を示します)。
 下部にはスペーサブロックを用いて下部のかぶり厚を確保するようにします。

20210225基礎工事1-4-配筋工事の写真01

基礎工事6 型枠工事

 型枠工事は、鉄筋の周りにコンクリートを打設するために型枠を組立てる作業です。
 型枠に使用する材料は化粧合板や桟木等で図面より事前に加工して準備しておきます。設置する位置は、捨てコンのときにマークした印と遣り方を利用して組み立てます。
 型枠の精度と隙間なく垂直に組まれているかで基礎の出来具合が決まるので、重要な作業です。
 積水ハウスでは「メタルフォーム」という金属の型枠で形成されます。

20210225基礎工事1-5-型枠工事の写真01

 積水ハウスではベース部分は円弧状になっていてカルフォームというプラスチックの型枠が用いられます。

20210225基礎工事1-6-カルフォームの写真01

 西側は道路面と同じ高さまで下がるので深基礎になっています。

20210225基礎工事1-7-深基礎の写真01

基礎工事7 確認検査

 この段階で建築士さんによる住宅性能評価の現場検査が行われました。
 コンクリート打設が行われてしまうと確認できない箇所が出てきますし、万が一修正が必要な場合も対応可能なためです。
 私も立会いをさせて頂きました。主な確認項目は以下の通りです。

  • 建物の配置
  • 地盤の高さ
  • 地盤の強度
  • 基礎の配置
  • 根入れ深さ
  • 立ち上がり部の高さ・厚さ
  • 基礎底盤の寸法
  • 主筋・補強筋の径・位置
  • 閉口周辺部の補強

20210225基礎工事1-8-確認検査の写真01

基礎工事 コンクリート打設までの工事前半の7つの工程とは?のまとめ
  1. 建物のサイズを示され(地縄張り)、建物を位置が示され(遣り方)、基礎を設けるための掘削(根切り)が行われた
  2. 捨コン打ちは配筋ベースを設置する箇所にのみ行われた
  3. 配筋工事はSKIPシステムにより計算された配筋がある程度組まれた状態で運び込まれ、現場で組み上げていった
  4. 積水ハウスではメタルフォームという金属の型枠が用いられ、位置を合わせて設置することでアンカーボルトの位置出し、かぶり厚の形成が出来るようになっています
  5. 住宅性能評価の現場検査として建築士さんにより、確認項目に従って検査が行われた