日本の住宅の重要な要素のひとつとして地震に強い家があります。阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震、ここ数十年を考えても大きな地震は日本全土で発生しています。
 「地震に強い家」のためには、その構造躯体が頑丈であることはもちろん建物全体で揺れを吸収するバランスや振動を受け流す設計である必要があります。
 その設計を具現化するためには、住宅という大きな構造物であってもミリ単位の精度で建物が施工されている必要があります。

 地震後の二次災害として火災があります。要因としては建物の倒壊や外壁の破損・落下によるもらい火があります。地震による直接的な被害とともに、震災後の修繕の費用を低く抑えることも大切な要素です。

 積水ハウスの住宅には大地震に対する適切な技術を建物の土台から骨格、外壁に至る様々な箇所に取り入れています。こちらのページではその主な技術についてご紹介します。

20220902テクニカル-地震に強い家の概要図

鉄骨構造


ユニバーサルフレーム・システム

 ユニバーサルフレーム・システムは、C型鋼の軸組とH型鋼の梁で構成された基本構造を持つ軽量鉄骨軸組ブレーズ構法です。
 品確法の性能表示制度で最高等級を取得しており、安全性を確保しつつ大開口や大空間などの提案が可能です。1・2階を貫く通し柱を必要としない点が特長で、各階の間取りを自由に設計出来ます。

 深い軒下空間を実現する最大1.5mの本体オーバーハングや、空間をより開放的に出来る最大6mx6mの大きな吹抜け、最大5m+5mの大開口、バルコニー部分のまたぎ段差をなくしたフルフラットバルコニーなども計画出来ます。

20220826-積水ハウス-ユニバーサルフレームシステムの画像

 引用元: 積水ハウス

ダイナミックフレーム・システム

ダイナミックフレーム・システムは、優れた安全性能と設計自由度を両立した構法です。天井高2.74mや最大7mの無柱大空間や大開口サッシのコーナー配置を可能にしました。これらは内と外を緩やかにつなぐ空間スローリビングを形成することが出来ます。

 縦方向については、ステージリビングやピットリビングで床の高低差を作り出し、1階から、最大8mx4mの小屋裏までの吹抜けは縦の大空間を形成することが出来、空間の変化と広がりを生み出します。

20220826-積水ハウス-ダイナミックフレームシステムの画像

 引用元: 積水ハウス

 この広い空間形成を可能にしたのが、高強度の梁ダイナミックビームです。
ダイナミックビームはH型鋼で梁成が高くさらにの梁成の中間に一枚の板が付いている形状で、これにより柱の間のスパンを広げることが出来、横揺れも抑えることが出来るようになっています。

ダイナミックビームは、

  • ダイナミックビームR 積水ハウスの標準梁の約5倍の強度。
    天井の懐に梁が収まり、スッキリとした空間演出が可能。
  • 20220826-積水ハウス-ダイナミックビームRの画像

     引用元: 積水ハウス

  • ダイナミックビームK 積水ハウスの標準梁の約10倍の強度。
    梁の一部を化粧囲いして、意匠性が高い大空間の形成が可能。

20220826-積水ハウス-ダイナミックビームKの画像

 引用元: 積水ハウス

シーカス

 シーカスはフレームにK型に組み込んだシーカスダンパーが、地震動エネルギーを熱エネルギーに変換して揺れを吸収する仕組みです。
 ダイナミックフレーム・システムにシーカスフレームを適切に配置することで、地震時における住宅の変形量を1/2以下に抑えます。

20220827-積水ハウス-シーカスの画像

 引用元: 積水ハウス

 シーカスには特殊高減衰ゴムを内蔵したシーカスダンパーが組み込まれています。
 このゴムは耐久性が高く気温の変化に安定しています。劣化防止がされ鋼管の間に密閉されており、耐用年数100年相当の耐久性を確認しています。

20220827-積水ハウス-シーカスダンパーの画像

 引用元: 積水ハウス

大型鉄筋コンクリート基礎

 基礎は日常時には建物の重量を支え、地震や台風などのときは大きく複雑な力に耐え、外部から加わる力を効率よく地盤に伝える役割があります。

 積水ハウスの基礎は住宅金融支援機構の住宅を大きく上回る、大型の基礎が敷設されます。円弧状のフーチング形状、効率よく配置した太い配筋により高強度な大型鉄筋コンクリート基礎が、耐震性の礎となり安定して建物を支え続けます。

20220827-積水ハウス-基礎内部の画像

 参照元: 積水ハウス

20220821-地震に強い家-型枠除去後の基礎の写真

 基礎立上り部分の様子

20220821-地震に強い家-住宅金融公庫と積水ハウスの基礎断面の比較の図

 参照元: 積水ハウス

構造躯体と基礎をダイレクトジョイント

 一般的な木造住宅では基礎と構造体の間に土台となる木造が入ります。
 積水ハウスでは土台を設けずに基礎から出ているアンカーボルトに柱を直接緊結します。これをダイレクトジョイントと呼びます。
 構造体を基礎に直接緊結することで、地震のエネルギーを効率良く基礎に伝えることが出来ます。地震の大きな力がダイレクトジョイントであれば、耐力壁からの力がダイレクトにアンカーボルトに伝わり、基礎、地盤へと伝達されます。
 アンカーボルトに構造体を直接緊結するためには、アンカーボルトの位置精度が重要です。積水ハウスではアンカーボルトをミリ単位で設置出来る鋼製型枠メタルフォームを用いて、精度良く基礎を施工しています。

20220831-積水ハウス-メタルフォームの画像

メタルフォーム
 参照元: 積水ハウス

20220821-地震に強い家-鉄骨構造体と基礎を直接緊結の写真

 構造(鉄骨)とダイレクトジョイントの様子

20220831-積水ハウス-アンカーボルトの画像

アンカーボルトの様子
 参照元: 積水ハウス

外壁パネルロッキング工法

 地震により建物が揺れると、強い力を受けて大きく変形する箇所もあれば、弱い力で小さく動く箇所もあります。
 建物がガッチリ固定されていると建物にかかる力のばらつきが固定部に集中、特に重量がある外壁がガッチリ固定されていると、外壁はひび割れたり落下したりします。
地震後に最も警戒すべき災害のひとつは火災です。外壁の落下がなければ、隣宅などからの火災によるもらい火を防ぐことが出来ます。また、ひび割れや落下がなければ地震終息後の修理費用も低く抑えることが出来ます。
 積水ハウスは、超高層ビル等で使われている工法と同じロッキング工法で外壁パネルを固定しています。独自の外壁取付金具で外壁を構造躯体に固定しています。
これにより平時は固定されていて、地震時には外壁がそれぞれに可動することで外壁がひび割れたり、落下することを防いでいます。

20220831-積水ハウス-外壁パネルロッキング工法の画像

 引用元: 積水ハウス

20220821-地震に強い家-外壁パネル取付け金具の写真

 外壁パネル固定の様子

20220821-地震に強い家-外壁の揺れの様子を比較の図

外壁取付けの比較(概念図)
 参照元: 積水ハウス

積水ハウスの地震に強い家とはどのような構造なのか?まとめ
  • 積水ハウスの鉄骨構造はユニバーサルフレーム・システムで軽量鉄骨軸組ブレーズ構法です。安全かつ大開口や大空間を形成することが可能です。
  • ダイナミックフレーム・システムは高強度の梁ダイナミックビームにより、天井高2.74mや最大7mの無柱大空間が可能です。
  • シーカスはフレームにシーカスダンパーが組み込まれて、地震のエネルギーを熱エネルギーに変換して揺れを吸収します。
  • 積水ハウスの基礎は大型のフーチング形状と太い配筋で、建物を支えます。
  • 基礎と建物を直接に緊結するダイレクトジョイントにより、地震のエネルギーを効率よく基礎へ伝えます。
  • ロッキング工法により外壁パネルを固定して、平時は固定され、地震時は外壁が可動することでひび割れや落下を防ぎます。