前頁「地域環境をチェックする」では、候補の地域を具体的に評価するとして、交通の利便性と周辺施設の充実度についてチェックする項目をご紹介しました。

こちらの頁では、候補の地域の地盤と土地柄について考えます。前頁では生活面を考えた上での利便性の観点から、候補の地域を評価してきました。これも重要な事柄ですが、候補の地域はどのような地域であるか分かりますか?

  • 高度はどれくらいですか?地盤の強度はあるのでしょうか?
  • 以前はどのようなところだったのでしょうか?
  • 歴史的背景から、その地方においてどのような位置づけの場所だったのでしょうか?

 土地を決定するにあたっては検討している地域についても知っておく必要があります。そこでこの頁では、「地の力」について考えます。

地質的な地の力と地理的な地の力

 マイホームは土地の上に建てます。土地には地質的な地の力、地理的な地の力があります。
土地があっての建物なので、それぞれの「地の力」を知ることは丈夫な家を建築するのに大切なことです。

 地質的な地の力というのは地盤のことです。
地理的な地の力というのは地域全体から見たときのその土地の『位置づけ』のことです。

家を支える地盤の種類

 地盤には大きく分けると『洪積層』『沖積層』があります。 『洪積層』と『沖積層』にはそれぞれ、以下のような特徴があります。

洪積層
形成された年代が1万年以上前で硬い。
山地、丘陵地、台地などの高台にあり、長い年月にわたって締め固められた強固な地盤
沖積層
比較的新しく軟弱な地盤。河川の下流部に土砂が堆積して形成された層で、河川の周辺など低地に広がる。昔から人が集中して住む地域

 東京で言うなら山の手は洪積層、下町は沖積層にそれぞれ位置しています。
ただこれは「洪積層だから良い、沖積層だから悪い」ではありません。検討している地域がどちらに属するかは、その地域の地図を眺め等高線の流れをなぞったり、現地に赴き 高いところからその地域を眺めることで見えてくるでしょう。

20210207地層断面の写真

日本にある様々な地形

 日本は周囲を海に囲まれており、国土の3分の2は山地です。
いくつもの山脈が連なっており山地に降った雨を海まで運ぶ川は短くて急峻なため、様々な地形を造り出します。
川沿いには平地や盆地、湿地があります。河口には堆積土砂により形成された土地、人工の土地があります。

山地・丘陵地

20210208-山地・丘陵地のイラスト

  元来、洪積層で頑丈な地盤だが、宅地化のために切土や盛土がされていることが多いので、宅地として使う場合は要注意。

自然堤防

20210208-自然堤防のイラスト

 河川の両岸に土砂が堆積したところ。砂や小礫からなり、排水性がよく乾燥している。地盤は安定している。

後背湿地

20210209-後輩湿地のイラスト

 自然堤防の後ろの平らな部分。洪水で自然堤防を越えた氾濫水が留まり、粘性土やシルトが溜まっている。住宅の地盤としては地耐力が弱いので要注意。

台地(ローム層)

20210209-台地(ローム層)のイラスト

 砂、粘土、シルトがほぼ同じ割合で混じっている土壌で火山灰が堆積してできたもの。住宅の地盤としては良好といえる。

扇状地

20210209-扇状地のイラスト

 山地を流れてきた急流が、平地に出たところで砂礫や石を堆積させて扇形に広がり形成された土地。住宅地盤として良好だが、土石流の恐れがある。

三角州

20210209-三角州のイラスト

 川は河口に近づくと、何本にも分かれる。この川に挟まれた三角地帯。砂泥が流されて形成された土地なので、地盤は軟弱なところが多い。

埋立地

20210209-埋立地のイラスト

 人工的に造られた土地。地盤の強度は未知数だが軟弱な場合が多い。綿密な地盤調査を行う必要がある。

土地の特徴を体感する

 日本は周囲を海に囲まれており、国土の3分の2は山地です。 いくつもの山脈が連なっており、山地に降った雨を海まで運ぶ川は短くて急峻なため様々な地形を造り出します。 川沿いには平地や盆地、湿地があります。河口には堆積土砂により形成された土地、人工の土地があります。
「地理的」に知るための方法は様々にあります。

  • 鉄道・主要幹線道路を地図で調べる
  • その地域の歴史・風土・風習から調べる
  • 古地図を調べて、その地域がどのような位置づけにあったか調べる
  • 土地の価格、福祉施設、教育施設の充実度、土地人気ランキングなどを調べる

 大切なことはその土地をよりよく知ろうとする姿勢であり、より多くの土地を様々な観点から知ることにより自分に合った土地とはどのような土地なのかを知ることが出来ます。

そして、その土地を体感する最も良い方法は「歩くこと」です。

クルマで通るだけでなく実際に歩いてみることで自分に合うか合わないかを肌で感じることが出来ます。地図やインターネットで多くの情報を集めることは出来ますが、自分で実際に歩いて感じる感覚にはかないません。候補地になっている街、検討している土地付近をいくつか歩くことで自分に合う土地の姿がより鮮明になることでしょう。

20210209その地域を知る様々な方法のイラスト

土地を探しながら希望の住宅会社でマイホームの間取りを考える

 住宅を建てる敷地は一点モノで、同じ土地はありません。
 敷地と同時にその土地に建てる住宅も同時に検討する必要があり、家づくりでは多くの情報を集める必要があります。

 私たちは不動産屋さんで土地の情報収集をして、住宅会社を1社ずつ回ってカタログや間取りプランを集めていましたが、現在はネットでまとめて集めることが出来ます。

それがタウンライフ家づくりのサイトになります。

「唯一の土地」を見つける目を養う

 土地の様々な条件である大きさや接道状況、高度、地域についての条件である、利便性や周辺状況、近隣の様子など、
 私たちにはどのような土地が適しているのか、多くの土地を比較して最適な敷地に突然出会ったときにすぐに決められる判断も必要となります。
理由は、人気の土地はすぐに売れてしまうからです。

 また敷地と同時に、その土地に建てる住宅も同時に検討する必要があります。

  • 敷地の条件に適した住宅はどのようなサイズで形状であるのか
  • 検討している住宅会社でその要望の住宅は建てられるのか
  • 土地と住宅と含めての資金計画はどのようなものか

 それらを同時に入手できるので、とても有効な手段だと思います。

土地情報と希望の住宅の間取りプランを入手するための入力する内容は

 このサイトで入力する主な内容としては、

  • 検討している地域、土地の広さ、法令調査の希望
  • 希望している建物の大きさ
  • 希望の住宅会社

  私も「家づくり計画書の作成依頼スタート」から入力してみましたが、選択式で進んでいくのでとても簡単でした。
 希望の土地情報と住宅会社から情報を得られるので、とても有効な手段だと思いました。

地盤と土地柄を知る 最も大切な1つのことは何か?のまとめ
  1. 検討する土地について、地質的にも(地盤)地理的にも(その土地の位置付け)より良く知る
  2. 地盤には洪積層と沖積層がある。検討する地域がどちらに属するか確認する
  3. 山地から流れる川により、平地や盆地など様々な地形がある。下流には土砂により形成された土地や人工の土地がある
  4. 検討している地域を地理的に様々な方法で確認することで、自分に合った土地を知ることが出来る