前頁「地盤と土地柄を知る」では、地質的な地の力として地盤について、地理的な地の力として地域の位置づけについて考えました。
今回は土地購入注意点を考えます。土地にはどのようなリスクがあるのでしょうか?
様々なリスク
土地選びに存在するリスクには、いろいろな観点から考える必要があります。
土地のリスクについて、以下の種類と対処法があります。
- 契約内容と照らし合せて対処するリスク
隣宅との境界、隣接道路、地盤や地中物、インフラ費用など。
⇒地主に事前に確認することで対処・再検討が可能。 - 契約後を考えて対処するリスク
用途地域、建築条件、災害、生活していく上での障害など。
⇒その土地に行き、マイホーム建設のこと、生活するときのことを想像して、調査・判断する
土地にはリスクがあります。可能な限りの対処を行い、起こりうるリスクを想像して判断をします。
それでも想像し得ないリスクも存在することでしょう。それらは施工業者、不動産仲介業者に助言を得る、地元の人に聞くことが大切です。
土地に存在するリスクとしては以下の項目が考えられます。
地盤・地中埋没物

地盤は、山の斜面に造成された宅地では削り取った箇所(切土)、土を新たに盛った箇所(盛土)で地盤強度が異なると不同沈下の恐れがあります。
また、粘土軟質地盤や砂質地盤でも地盤の不安定から家が傾いてしまう恐れがあります。
地中の状況は産業廃棄物や以前の住宅の基礎や杭などの残骸、古井戸などその敷地が以前の使用者とどのように使われていたか土地の経歴を事前に調査しておきます。また、万が一問題があった場合を想定し土地売買契約において条件を提示しておくことも必要です。
隣宅・境界

現地を訪問し土地図面と形状が合っているか確認します。
登記記録に目を通して土地の所在、面積、権利関係などを確認します。
境界を示す境界標が正しく設置されていることを確認します。
隣宅については、
- 土地への侵入物はないか(植栽などの侵入の恐れは無いか)
- 境界の処理が正しく行われているか
- 住人の様子
などを観察、確認します。
接道状況

土地と接する道路は建築基準法を満たす道路と接道しているか、道路幅員は十分か、隣接道路は公道か私道か(私道の場合は道路使用許可が降りるか)を確認します。
また、敷地が将来の道路造成計画に入っていないかを確認します。
インフラ

電気、ガス、水道、下水、ネット回線等、必要なインフラが敷地近く(接道道路上や地中に)整備されているか確認します。
住宅地では近隣住宅のために既に敷設されていると考えられますが、区画より離れた敷地では追加の敷設費用が必要な場合があります。
用途地域

検討している敷地の用途地域が住宅以外にどのような建物が建つ可能性があるか確認します。
また、隣宅や道路をはさんだ向かい側の敷地の用途地域についても同様に確認します。
用途地域によっては向かい側に商業施設、中高層マンションが建つことも考えられます。将来的に騒音や駐車場トラブル、日照権の問題が起こる可能性はないか確認します。
建築条件

検討している敷地について高さ制限や斜線制限、その他の住宅建築に関する条件を確認して検討している建物が建てられるか確認します。
用途地域や地域の特別な制限、建築協定などについても確認します。
災害

地震(液状化現象など)、水害(津波、洪水、高潮、土砂災害など)、風害など起こりうる災害からの被害が発生する可能性が高い地域かを調べます。
これらは自治体のホームページのハザードマップにより確認します。
生活上の障害

日常生活において支障になる事柄を確認します。
特定の時間、時期、季節ごとの障害(花見時に混雑するなど)はないか確認します。
- 接道する道路の様子(通勤時間など、特定時の道路の混雑具合)
- 近隣施設からの汚染(工場汚染や風上の施設からの悪臭、飛散物など)
- 花粉や悪臭など
土地の地盤を知る方法
土地の地盤を知る方法は、
- 周囲環境や土地の履歴を知る
- 地盤調査によって強度を知る
の2つがあります。
1.周囲環境や土地の履歴を知る
まず検討している土地の周囲を見渡してみましょう。周囲は平地であればやや軟弱な沖積層、小高い丘や台地であるのなら硬い洪積層である可能性があります(あくまでも可能性です)。
次にその土地がどのような経緯をたどって宅地となったのかを調べてみよう。
- 昔、鶏小屋だったところを整地して形成された更地なのでしょうか。
- 田畑だったところを地主の方が、分筆して提供された土地なのでしょうか。
- 小山の傾斜地をひな壇状に造成して形成された宅地なのでしょうか。
これらを調べることで、検討されている更地の強度を推測することが出来ます。
2.地盤調査によって強度を知る
調べるだけでは地盤の強度は推測するに過ぎません。地主の方に許可を頂いて実際に地盤調査を行わせてもらうことも必要です。
調査を行い地盤強度を確認することで、地盤補強の費用はどのくらいになるかを知ることが出来ます。
- 硬い地盤だから、地盤改良は不要。
- 軟弱な地盤がかなり深いから、硬い地盤層まで杭を打ち込む必要がある
- 木造住宅であれば、それほど重くないから、この程度の地盤で良い
- 鉄骨住宅は重いからこの程度の地盤補強が必要
など。掛かる経費も算出することが出来ます。
想像力を十分に働かせる
土地に起こりうるリスクは様々にあります。将来も見据えて想像力を働かせて検証する必要があります。
- マイホームを建てたときは日当たりが良好で静かな住宅地だったのに、南側に大きなマンションが建ち日当たりが悪くなり、人の出入りが多くなった。
- 将来道路が出来る土地に家を建ててしまい、立ち退きを求められたり、交通量が増えてしまった。
これらは、自分の土地だけでなく周囲の土地の用途地域(第○種○層住居専用地域など)も確認しておいたり、市の都市計画を調べておくことで避けることが出来ます。
- 周囲より土地が低いために大雨が降ったときに、近くの排水溝から雨水が集まって溢れかえってしまう。
⇒雨の日に土地の様子を観察することで避けることが出来る
すべてのリスクを完全に網羅することは難しいですが想定されるリスクをあらゆる角度から検証して、マイホームを建てる土地を選ぶことが必要になります。
土地を探しながら希望の住宅会社でマイホームの間取りを考える
住宅を建てる敷地は一点モノで、同じ土地はありません。
敷地と同時にその土地に建てる住宅も同時に検討する必要があり、家づくりでは多くの情報を集める必要があります。
私たちは不動産屋さんで土地の情報収集をして、住宅会社を1社ずつ回ってカタログや間取りプランを集めていましたが、現在はネットでまとめて集めることが出来ます。
それがタウンライフ家づくりのサイトになります。
「唯一の土地」を見つける目を養う
土地の様々な条件である大きさや接道状況、高度、地域についての条件である、利便性や周辺状況、近隣の様子など、
私たちにはどのような土地が適しているのか、多くの土地を比較して最適な敷地に突然出会ったときにすぐに決められる判断も必要となります。
理由は、人気の土地はすぐに売れてしまうからです。
また敷地と同時に、その土地に建てる住宅も同時に検討する必要があります。
- 敷地の条件に適した住宅はどのようなサイズで形状であるのか
- 検討している住宅会社でその要望の住宅は建てられるのか
- 土地と住宅と含めての資金計画はどのようなものか
それらを同時に入手できるので、とても有効な手段だと思います。
土地情報と希望の住宅の間取りプランを入手するための入力する内容は
このサイトで入力する主な内容としては、
- 検討している地域、土地の広さ、法令調査の希望
- 希望している建物の大きさ
- 希望の住宅会社
私も「家づくり計画書の作成依頼スタート」から入力してみましたが、選択式で進んでいくのでとても簡単でした。
希望の土地情報と住宅会社から情報を得られるので、とても有効な手段だと思いました。
- 土地にはリスクが存在して、契約内容で対処するリスクとその土地を想像して対処するリスクがある
- 土地の地盤を知る方法は、土地の履歴を知ることと地盤調査をすることです
- 土地のリスクは先も考えて想像力を働かせて検証する。全てのリスクを把握することは難しいですが、様々な角度から検証して土地選びをします。